リニア中央新幹線の静岡工区の件に関連して、10/20にJR東海が突如えらい爆弾を投下してきました。
コンプライアンスの問題から、川勝平太静岡県知事の進退問題につながるのは避けられません。
事の発端は、9/10の静岡新聞の記事
時を置かずに静岡県知事選が行われるとなると、静岡5区の候補者調整でもめている自民党が細野豪志を県知事に立候補させて丸く収まっちゃうのかなーなどと思っておりますが、それはまた別のお話・・・
ともかく、「工事で流出する大井川の水ぜんぶ戻せ」と川勝平太さんが大騒ぎするもんで、揉めに揉めているリニア中央新幹線静岡工区。
そんな中、9/10に静岡新聞がこんな記事を打ってきました。
リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に伴う湧水の県外流出問題を巡り、大井川直下でトンネルを掘削する際の施工上の留意点として「涵養された地下水が大量に存在している可能性があり、高圧大量湧水の発生が懸念される」と記されたJR東海の非公表資料が存在することが、9日までに分かった。
はてさて、「JR東海の非公開資料」とやらを、なぜ静岡新聞社が入手できたのか・・・というところでまず疑問符がつきます。
10/20になって、JR東海が突如静岡県とのやり取りを公開!
環境影響評価に係る関係資料の公開依頼に対する静岡県への回答について
静岡県からの、中央新幹線南アルプストンネル(静岡工区)における環境影響評価に係る関係資料の公開依頼について、本日、当社が静岡県に回答した内容は別紙1のとおりですので、お知らせします。
なお、本件に関するこれまでの静岡県とのやり取りは、別紙2~4のとおりです。
9/10の報道からしばらく表には出ていませんでしたが、その間にJR東海と静岡県との間で攻防があったようです。
その一連のやりとりを、JR東海が10/20にホームページで公開しました。
企業間の文書で堅苦しいので、独断と偏見で読み下してみます。
9/30 JR東海(現場)→静岡県(現場):貴県へお貸しした資料に関する事実関係の確認について
平成30/10/30 に「地質調査・水文調査等に関する資料」を静岡県さんに貸し専門部会でも議論が交わしたよ。
そしたら、どうもその資料とおぼしきものが今年 9/10 の静岡新聞で公開されたよ。あろうことか、「JR東海の非公開資料が存在することが、9日までに分かった」なんて見出しがつけられてたよ。借用書に「閲覧限定」って書いてあったはずだし、そのコピーも補完してあるんだけど。なんで静岡県さん以外の人が閲覧できてるの?
外部機関に委託して作ってもらったものだし、勝手に使われたりコピーや配布されちゃ困るからこういう条件をつけたんだけど。あと専門家じゃないと読み解けないし、無駄に不安を煽るだけだから公開すること自体不適切でしょ。
どうして資料が勝手に静岡新聞にばらまかれたのか文書で回答してよ。
専門部会で検討するために公開範囲限定の資料を静岡県に貸し出したところ、なぜか静岡新聞にばらまかれてしまったJR東海。
現場は当然激おこで、どういう経緯でこんな事が起こったのかを公式文書で静岡県に問い質します。
10/2 静岡県→JR東海:リニア中央新幹線静岡工区における環境影響評価に係る関係資料の公開について
あんたらはこの資料を静岡県や専門部会に資料を開示したから「公表済」と考えてるのかもしれないけど、一般人に向けて発表しなければ公表とは言わないよ。開示しろよ。
開示できないならその理由を明示しろよ。
すると静岡県は情報漏洩についてはまったく回答せず、一般人へ資料を公開しろとして話を逸らします。
10/7 JR東海→静岡県:リニア中央新幹線静岡工区における環境影響評価に係る関係資料の公開について(回答)
10/2 にリニア工区の環境影響調査資料を公開しろって書面を貰ったけど、その資料一式そもそも静岡県と静岡市に送ってるし、環境保全事務所で公開してるよ。
まあ非実在系謎資料のことを言ってるのかもしれないけど、この調査結果は専門家じゃないと読み解けないし、いたずらに公開しても不安を煽るだけだよ。
まあこの辺のことは 9/30 に現場が伝えた通り。
JR東海は、「その辺のことは9/30に一通り伝えたでしょ」。
10/9 静岡県→JR東海:リニア中央新幹線静岡工区における環境影響評価に係る関係資料の公開について
10/7に資料公開に関する回答貰ったけど、そこには専門家じゃないときちんと分析できないし無駄に不安を煽るだけだから公開は適当じゃないって書いてあったよ。
でもリニア工事自体が大井川流域住民に不安を与えてる。不安を払拭したいなら不適切な情報が流れるのを隠すのではなく公開しなよ。住民は資料はもとよりあんたらの姿勢を見てるんだよ。
静岡県は相変わらず情報漏洩・コンプライアンス違反については回答せず、しかも今度は感情論に話を持ち込もうとします。
10/20 JR東海→静岡県:リニア中央新幹線静岡工区における環境影響評価に係る関係資料の公開について(回答)
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0/9 にリニア工事の環境影響調査結果の資料公開しろ!って文書貰ったけど、10/7 に回答した通りだよ。
その資料は静岡県と静岡市に送ったし、うちのホームページでも公開してるし、環境保全事務所にもあるよ。
まあこれと異なる謎の文書を公開しろって言ってるのかも知れんけど、この手の文書は素人がみても「なんとなく全部やべえ」と思いこむだけから専門家に分析させないと駄目でしょ。
まあそんな事は静岡県さんもうち(JR東海)も分かり切ってるので有識者会議を設置したし、静岡県からも2人参加してるのでそこで説明してる。
んでその資料は静岡県さんに平成30/10から8か月間貸したけど、それでもうちが地元住民に説明した方がいいって言ってんの?見解教えて。
10/20に、JR東海はあらためて「資料は静岡県に8カ月もの間貸した」という事実を突きつけます。
そもそも静岡県側が8か月間も借用していたにも関わらず、貸出期間満了から何か月も経過した後に静岡新聞が「非公開資料が存在した!!」と騒ぐのも謎です。
それ、静岡県側も8カ月+@の間、その資料の存在を隠してたってことじゃん・・・
とはいえ、ここにきてJR東海が一連のやりとりをPDFにしてホームページで公開したということは、訴訟に向けた準備が整ったとかそういった意味合いでもあるんですかね?
民事訴訟で損害賠償請求にとどまるか、刑事訴訟に発展するか・・・?
しかし、いきなり大技持ってきましたなあ。